検査部門
検査部門の役割は患者さまに対して診断、治療、経過から予後の判定に至るまで生体情報を提供しなくてはならない重要な部門です。
種々の測定原理や測定機器を活用し、患者さまの血液や尿、便などから情報を得る「検体検査」と、患者さまの身体を直接調べる心電図や肺機能、超音波検査等の「生体検査(生理機能検査)」があります。
検体検査はさらに血液検査、組織や臓器が主な検体である病理検査と検体を培養することで病原微生物を同定する細菌検査に分けられます。これらの検体検査は業務委託検査で実施していますが、検体の採取から検体確認や結果報告を職員スタッフが協力し合い遂行しています。
検体採取のひとつである採血は外来看護師が中心となって行っています。
血液検査の一部は院内の測定機器を用いて院内で実施し、病理や細菌検査等は院外で検査を実施しています。
院外で実施する血液検査や病理・細菌検査等の結果はご報告に数日~数週間かかる場合があります。
緊急性を要するコロナウイルスなどの迅速検査や時間外の輸血に関連する検査は院内スタッフで対応しています。
当院で行っている生理機能検査は、心電図検査、
負荷心電図(トレッドミル)検査、ホルター心電図、
血圧脈波検査(ABI検査)、呼吸機能検査、
超音波検査(心臓・腹部・血管・関節など)、神経伝導検査、
脳波検査です。また、心臓カテーテル検査や、肝臓や胆嚢の超音波ガイド下の治療などの際にスタッフの一員としてチーム医療に努めています。
検査部門内では、報告・連絡・相談などをはじめとする規律を重んじ、診断に必要な検査結果を迅速かつ正確に報告し患者さまが安心、納得して検査が受けられるように検査環境の配慮、わかりやすい検査の案内・説明に従事しています。
検査業務の他に委員会活動等にも参加しています。
院内での委員会活動
院内感染対策委員会
輸血委員会
医療安全委員会
生理機能検査
検査室前待合
心電図検査
心臓の筋肉から発生する電気信号を波形として記録する検査です。
脈の乱れ(不整脈)の種類や頻度、心臓肥大や心筋梗塞・狭心症など筋肉に異常がないかなどがわかります。
ベッドに仰向けの状態で両手首・両足首に大きなクリップを挟み、胸(素肌)に吸盤(電極)をつけて記録します。
機器装着部は素肌が見えるように服を捲っていただく必要があるため、ボディースーツやタイツの着用 をされている場合はお脱ぎいただきます。また、機器を装着前に身体をアルコールで拭くため、アルコールかぶれのある方は担当者に申し出ください。
負荷心電図(トレッドミル)検査
心電図の電極と血圧計をつけた状態で、だんだん速くなったり坂道になるベルトコンベアの上を歩いていただき、心臓に負荷をかけ安静時では見つけることのできない心電図の変化を調べることによって狭心症や不整脈などの診断を行います。
検査当日は運動しやすい服装でお越しください。
体調の悪い時や熱がある時、足腰の怪我や痛みがある場合は検査出来ないことがありますのでお申し出下さい。
ホルター心電図
携帯型の心電図機器をおおよそ1日装着し心電図を記録します。普段の行動中の心電図変化や、
症状があったときの心電図がどのようになっているかを調べる検査です。
普段通りの生活をしていただきますが、入浴やシャワーはできません。
機器の装着中は心電図変化の参考とするため、所定の用紙に行動の記録を記入いただきます。
胸に心電図の電極(シール)を装着するためアルコールかぶれやテープかぶれのある方は検査担当者にお伝えください。
装着日翌日に機器の取り外しのためお越しいただきます。
血圧脈波検査(ABI検査)
手足の動脈で狭くなっているところや詰まっている所がないかや、血管の硬さを調べる検査です。
ベッドに仰向けの状態で両足首・両腕に血圧カフを巻き、胸にマイクロフォン、手首に心電図電極をつけて血圧を測定します。
袖、裾のゆったりしたものでない場合脱いでいただく場合があります。
呼吸機能検査
この検査は空気を吸える量や、空気を吐き出す強さや速さを調べる検査で、肺や気管支などの異常がないかや手術前に呼吸の状態を評価するために行われます。鼻をクリップでつまみ、専用のマウスピースをくわえて口のみで呼吸をして検査をします。
超音波検査
専用のゼリーをぬり、超音波を照射することで臓器を画像化し異常がないかを調べる検査です。
当院では腹部、心臓、上肢動静脈、下肢動静脈、頸動脈、腎動脈、関節、肩の超音波検査を行っています。
医師とともにソナゾイド造影超音波検査による肝腫瘍の検出、質的診断、治療ガイドとしても参加しています。
検査部位の素肌が見えるように服を捲っていただく必要があります。
神経伝導検査
手足の神経が正常に機能しているか調べる検査です。
神経の上から電気で刺激をして、その刺激の伝わる速さを見ます。多少の痛みを感じる検査です。
脳波検査
脳が出している微弱な電気を頭に装着した電極から記録し、脳の活動状態を調べる検査です。
装着部分の皮脂を落とすために専用のクリームでこすり、頭皮に複数の電極を付けて検査します。
検査当日はアクセサリーははずしていただきます。