私たちの病院では、整形外科全般の診療を行っています。 とくに、
- 人工関節置換術(傷んだ関節軟骨を削り、金属あるいはセラミック製の人工物で置き換える)
早期復帰を得るため、 MIS(最小侵襲手術)にも取り組んでいます。
- 変形性膝関節症(膝の痛みのある中高年の方)に対する低侵襲外科治療
- 足の外科(足首より下の部分全般の疾患)
- 脊椎・脊髄外科(専門医による様々な治療)
に重点を置いております。
人工関節手術
もっとも古くから力を入れてきたのが、人工膝関節置換術です。これまでに近畿地方を中心にさまざまな地域から当院へ手術を受けに来られております。
人工膝関節とは関節リウマチや変形性関節症で痛んでしまった関節・軟骨を、人工の関節に置き換える手術です。その歴史は意外と古く、これまでにずいぶん改良がくわえられました。それと同時に手術技術も飛躍的に進歩し、以前より「より安全」に「より痛みが少なく」手術が行えるようになりました。年間6-7万人のかたが手術を受けられ、多くの方が痛みのない生活を送っておられます。
最近では毎年 150例を超える人工膝関節の手術をおこなっており、安定した術後成績を残しています。また、当院では両膝が悪い場合、両側同日人工関節置換術(一度に両方の膝の手術をおこなう)を多数おこなっております。
人工関節手術の前に
「飲み薬や湿布、リハビリや注射を続けていても治らない。」
「レントゲンは異常ないといわれた・・・・でも痛くて仕方がない!」
そのような方に残された治療は人工関節しかないのでしょうか?いいえ、他にも治す手だてがあります。それは関節鏡手術です。これは膝にごく小さな穴をあけ、内視鏡を入れて治療する方法です。症状にもよりますが、手術時間は20分以内で劇的に症状が改善する場合もあります。もちろんリハビリも輸血も不要で、麻酔が覚めればすぐに歩けます。
整形外科部長の 藤井唯誌医師(論文一覧)は 1988年4月~2000年6月にかけて米国のメイヨークリニックにてバイオメカ(生体工学)の研究員として勤務していました。膝の治療によく用いられるヒアルロン酸の研究や、足の外科の研究論文を多数執筆してきました。
当院においても赴任以来、外反母趾、踵骨骨折、変形性足関節症などさまざまな足の疾患の治療をおこなってきました。
手術だけでなく足のさまざまな関節への特殊な注射も積極 的におこなっています。
足のトラブルで悩んでおられる方のお役に立てればと思います。
(足の外科外来 月、水、木)
脊椎、脊髄に原因がある手足の感覚障害(しびれ)、痛み、運動障害(まひ)などの様々な症状を生じる病気のうち、腫瘍(できもの)、 感染(ばい菌による骨の破壊や組織のはれ)、年令を重ねることによる骨の変形やずれ、外傷(けが)などの骨折や脱きゅうによる神経の圧迫で起きる病気や障害に対して治療をしています。
各患者様の症状や日常生活に対する障害を聞かせて頂き、診察の上、必要に応じてX線検査や、CT、MRIなどの画像診断を利用して、薬やリハビリテーションによる治療をおこない、それで良くならない場合に、手術をお勧めさせて頂きます。
手術に際しては、できるだけ患者様の負担が軽くなるように内視鏡、顕微鏡なども使用しています。
脊椎の病気のうち、腰痛や足が痛くなる腰椎椎間板ヘルニアには、内視鏡や顕微鏡を使用した髄核摘出術を行っています。間欠性跛行(少し歩くと足がしびれたり痛んだりして歩けなくなり、しばらく休むとまた歩けることを繰り返す)が起こる、腰部脊柱管狭窄症に対しては棘突起縦割椎弓形成術、すべりを戻して固定する矯正固定術などを行っています。頚椎の年齢的な変化で起こる手足のしびれや、箸を持ったり字を書いたりすることがしにくくなる頚椎症性脊髄症や頚椎椎間板ヘルニアには頚椎の椎弓形成術や前方固定術を行っています。どの脊椎の手術でも、できれば手術の翌日からでも歩いていただけるように配慮しています。
脊椎手術実績表
平成25年脊椎手術実績(平成25年1月~12月)
頚 椎 |
除圧術
(椎弓形成術) |
前方固定術 |
後方固定術 |
内視鏡手術 |
その他 |
|
合計 |
51 |
19 |
10 |
2 |
1 |
|
83 |
胸・腰椎 |
除圧術
(椎弓形成術) |
前方固定術 |
後方固定術 |
内視鏡手術 |
椎間板
ヘルニア手術 |
最小侵襲固定術 |
合計 |
105 |
0 |
48 |
32 |
19 |
38 |
242 |
その他脊椎手術 |
側弯症矯正術 |
脊椎腫瘍手術 |
椎体形成術 |
その他 |
|
|
合計 |
23 |
9 |
3 |
18 |
|
|
53 |
脊 椎 総合計 |
378
|